クルクミンは脂肪細胞を変化させる!?
こんにちは,adipoです.
今回はウコンに含まれるクルクミンの抗肥満作用について紹介します.
【クルクミンとは】
クルクミンはウコンに含まれる黄色のポリフェノールで,スパイスや着色剤として利用されます.お酒好きの味方「ウコンの力」にも含まれることで有名です.ウコンの力の容器の外観も黄色をイメージしたものが多いですよね.
クルクミンには有益な生理活性作用があることが報告されています.そのいくつかについて以下に示します.
- 抗肥満作用
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
- 抗がん作用
では,クルクミンはどのようにして抗肥満作用を発揮するのでしょうか.
【クルクミンのユニークな抗肥満作用について】
クルクミンの抗肥満作用については,いくつかの作用機序があることが報告されています.
- 脂肪蓄積抑制作用(脂肪細胞に脂肪が蓄積しないようにする作用)
- 脂肪細胞分化抑制作用(脂肪細胞の増加を抑える作用)
- 白色脂肪細胞の褐色化(エネルギー支出を増加させる脂肪細胞を増やす作用)
脂肪蓄積抑制作用および脂肪細胞分化抑制作用については『レスベラトロールはダイエットの味方!?』の記事でも紹介しました.
今回はクルクミンのユニークな抗肥満作用である白色脂肪細胞の褐色化について焦点を当てたいと思います.
【白色脂肪細胞の褐色化とは】
脂肪細胞には以下に示す3種類の脂肪細胞が存在することが知られています.
- 白色脂肪細胞(エネルギー貯蔵 → 肥満の原因)
- 褐色脂肪細胞(エネルギー支出 → 抗肥満作用の味方)
- ベージュ脂肪細胞(エネルギー支出 → 抗肥満の味方)
*これら3つの脂肪細胞の詳しい説明は別の記事でしています.
ベージュ脂肪細胞とは白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞様の細胞に変化した細胞のことを言います.つまり,エネルギーを貯めるだけの機能を持った細胞がエネルギーを支出する細胞に変化するということです.
脂肪細胞またはマウスを用いた実験において,クルクミンはベージュ脂肪細胞を増加させる効果があることが報告されています.
これまで,抗肥満作用とは,
- 脂肪蓄積抑制作用(脂肪細胞に脂肪が蓄積しないようにする作用)
- 脂肪細胞分化抑制作用(脂肪細胞の増加を抑える作用)
のどちらかによるものと考えられていましたが,クルクミンはベージュ脂肪細胞を増加させるユニークな植物性化学物質であることから,肥満の治療やダイエットに役立つ可能性が示唆されています.
残念ながらヒトにおいても同様の効果があるかについては科学的根拠がありませんが,近い将来,ヒトでも効果があることが実証されるかもしれません.
以上,本日はウコンに含まれるクルクミンの抗肥満作用について紹介しました.
次回もお楽しみに!!
レスベラトロールはダイエットの味方!?
こんにちはadipoです.
今日は赤ワインやグレープの果皮などに豊富に含まれるレスベラトロールの抗肥満作用について紹介します.
【レスベラトロールとは?】
レスベラトロールは赤ワインやグレープの果皮に含まれるポリフェノール類で,2003年に酵母の長寿遺伝子を活性化して寿命を延ばすことが報告され,夢の長寿薬として注目を集めました.この他にも様々な生理活性作用があることが報告されており,健康に役立つ植物性化学物質として認識されています.
- 抗肥満作用
- 抗酸化作用
- 抗がん作用
- 長寿遺伝子活性化作用
- 抗動脈硬化作用
などなど,,非常に多くの作用があるんですね.
では今日の本題『レスベラトロールの抗肥満作用』について詳しく説明していきます.
【レスベラトロールの抗肥満作用について】
レスベラトロールの抗肥満作用については細胞レベルから動物(マウス,ヒト)レベルまで幅広く多くの科学的根拠が示されています.
細胞レベルでのレスベラトロールの作用
レスベラトロールの細胞レベルでの作用は主に,以下の2つであることが知られています.
- 脂肪細胞分化抑制作用(脂肪細胞の増加を抑える作用)
- 脂肪蓄積抑制作用(脂肪細胞に脂肪が蓄積しないようにする作用)
脂肪細胞については別の記事で説明しています.
つまり,レスベラトロールは脂肪細胞自体が増えるのを抑えることができ,かつ,脂肪蓄積も抑えるということなんですね.
動物レベルでのレスベラトロールの作用
2011年にオランダの研究グループが報告したデータによると,健康な肥満男性11人にレスベラトロール(サプリメント,150 mg/日)とプラセボ(偽薬)を用いて30日間の二重盲検試験を実施したところ,レスベラトロール摂取したグループでは,以下の項目が低下することがわかりました.
- エネルギー消費
- 代謝率
- 血糖値
- 血圧
- 肝臓の脂肪
これらの項目はすべて肥満に関連するものなので,レスベラトロールを摂取することで抗肥満効果を得られる可能性が高いといえます.
*注意:日本人とヨーロッパ人では代謝酵素活性などが異なるため,日本人において全く同じ結果が得られるとは限らない.
では,レスベラトロールを1日にどの程度摂取すれば良いのでしょうか?
また,レスベラトロールが含まれる食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
【レスベラトロールの摂取方法】
レスベラトロールの摂取方法は主に2つあります.
- サプリメントとして摂取する
- 食品から摂取する
どちらの方法が良いのか,メリット・デメリットについて説明していきます.
サプリメントとして摂取するメリット
- 手軽に持ち運びができる
- 含量表記を参考に一日摂取量が計算できる
サプリメントとして摂取するデメリット
- 費用がかかる
- サプリメントの種類が多く,どれを購入すれば良いかわからない
食品から摂取するメリット
- 飲み忘れなどがない
食品から摂取するデメリット
全てではありませんが,考えられるメリット・デメリットを挙げてみました.
総じて言うと,私のオススメは断然サプリメントとして摂取する方法です.
なぜなら,そもそも一日摂取量を計算できないことには抗肥満効果を期待することすら出来ないからです.
サプリメントには必ずレスベラトロール含有量が記載されているので,それを参考に一日摂取量を計算することができます.
また,パッケージには必ず一日〇粒という記載があるので,それに従えばある程度の効果が得られると考えてよいでしょう.
【サプリメントの購入時の注意点】
サプリメントはドラッグストアやamazon,楽天市場で簡単に購入することができますが,種類が多すぎてどのサプリメントを購入すれば良いかわからないという方が多いと思います.
そこで,レスベラトロールのサプリメント購入時に特に気を付けたい点を以下に示します.
- トランス型レスベラトロールを含有しているものを選ぶ
- 国産のものを選ぶ
レスベラトロールにはトランス型とシス型が存在しまが,生体に影響及ぼすのはトランス型であることがわかっていますので,トランス型レスベラトロールの記載のある商品の購入をオススメします.
また,外国産のものは不純物が混ざっていたりシス型レスベラトロールを含有している可能性があるので,国内工場での生産および原料が国産のもの表記があるものが信用できると言えます.
というわけで,本日はレスベラトロールの抗肥満作用について紹介しました.次回の記事もお楽しみに!!